股関節症と症状が似た病気には大腿骨頭壊死と股関節リウマチがあります。
ほかの病気に誤診されることも多いので、治療が手遅れにならにようそれぞれの特徴や治療法について説明いたします。
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股関節に痛みが起こり、やがて骨頭が破壊される大腿骨頭壊死という病気があります。
股関節症と症状が似ていますが原因はまったく違います。骨頭への血流が障害されて、骨が死んでしまう病気です。
坐骨神経痛椎間板ヘルニヤ |
30% |
変形性股間節症 |
17% |
股関節炎 |
14% |
リウマチ |
14% |
股関節結核 |
6% |
ひざの病気、その他 |
19% |
大腿骨の骨頭壊死が起こると、骨頭がつぶれたり変形します。やがて、二次的な股関節症が起こってきます。
したがって治療法は、股関節症と同じく、保存療法と手術療法になります。
関節リウマチは、自己免疫疾患のひとつで、自分で自分の体の組織を攻撃してしまう難冶性の病気です。
股関節にも症状が及ぶと、日常の動作が不便になることが多くなります。
また、関節リウマチは、中高年の女性に多い病気です。初期は、手首などの小さな関節に炎症が起こります。
起床直後に手がこわばったて動かしにくいために気づくことがあります。その後手首やひじ、ひざ、足首などの大きな関節や、股関節に炎症が及ぶこともあります。
関節に炎症が起こる原因は不明ですが、自己免疫なの異常によって、自分で自分の体を攻撃してしまうことが関係しています。
年をとるとともに、骨のカルシウムが失われて、骨がもろく折れやすくなります。
これが骨粗しょう症です。とくに閉経後の女性に起こりやすく、転倒やちょっとしたことで骨折する原因になります。
女性は男性にくらべて骨量が少ないうえ、閉経して女性ホルモンの分泌が低下すると、急激に骨のカルシウムが流出しやすくなるからです。
たいへんまれな病気。先天性の障害によって起こり、骨や関節軟骨の形成が正常にできなくなって、著しく破壊されてきます。
特発性大腿骨頭壊死症とよく似ているため、間違われることもあります。
多発性の場合は、大腿骨や股関節だけではなく、ほかの関節にも起こります。
椎間板ヘルニヤや変形性脊椎症、あるいは外傷によって坐骨神経が圧迫されるために痛みが起こるものです。
坐骨神経の通り道であるおしりから太ももの裏側、ふくらはぎにかけて痛みが起こります。
変形性股関節でもここに痛みが出ることがあり、まぎらわし病気の一つです。まず原因となっている病気の治療が先決です。
ひざの関節軟骨が老化によってすり減っていくために起こります。ひざの痛みや腫れが起こり、正座ができなくなったり、じょじょに動かしにくくなります。
変形股関節症でもひざの痛みが出ることもあり、その区別をするこが大事です。肥満している人や、下半身の筋肉が弱いと悪化しやすい点も似ています。
急性化膿性股関節炎はほとんどが乳幼児で、成人では人工股関節の術後の合併症などによるものでまれです。発熱や全身症状から区別でいきますが、血液検査とエックス線検査で確定診断をします。
この場合はエックス線、血液検査に加えて、ツベルクリン反応で確定診断をおこないます。
大腿骨の頸部骨折や、股関節の脱臼、脱臼骨折をしたあと2〜3年ほど経過してから起こる
骨頭壊死症です。長いときは5年ほどたってから起こることもあります。
また、下腹部への放射線治療後に数年経過してから起こるケースもあります。治療法には、骨切り術や人工股関節に置き換える手術があります。
下半身に症状がでるのは、腰部の椎間板ヘルニア。急性の場合はぎっくり腰として発症します。腰椎と腰椎の間にある椎間板が、老化や無理な荷重によって飛びだして近くの神経を圧迫するため、腰から太もも、ひざ下にかけて痛みやしびれなどの症状が出ます。
慢性では痛みが続くため、変形性股関節症と症状が似てきます。 |
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