股関節症は確実に進行し、股関節をが壊れていきます。
治療は手術をするか、しないかのどちらかです。
どちらの場合でも大事なのは、必ず保存療法をおこなって、進行を遅らせることです。
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痛むときの対処法は、股関節症の保存療法のなかでも重要な位置をしめます。
基本は安静ですが、度が過ぎるとかえってよくありません。
そのさじ加減を心得ておきましょう。
痛みが強いときは安静をはかりますが、2〜3日か、長くても2週間以内が限度です。
しばらく休めば、関節炎の症状はおさまって痛みがやわらいできます。
逆に、寝たっきりの状態が長く続くと、廃用症候群を招いて、かえって悪化を促します。
もちろん股関節に負担をかける運動をむりにするのは避けるべきですが、用心しすぎて動かないことがないようにしましょう。
肥満している人は、股関節の負担を軽くするためにも減量をしましょう。
股関節症の薬物療法は、あくまで一時的に痛みをとるだけのものです。痛くて夜眠れないときや、進行期から末期の痛みが強いときなど、一時的に痛みを抑える薬と考えましょう。
間違っても、痛みがとれるからと毎日常用したり、むりな運動をするようなことはやめましょう。
ここにあげたすべての薬をいつも使うということではありません。薬はあくまでも対処療法(症状をとる)にすぎません。
外用薬 |
非ステロイド系消炎鎮痛薬の温布などの貼り薬のほか、軟膏やクリーム、ローション、ゲル剤などがあります。温布などが貼りにくい場所には軟膏やクリームが便利です。軟膏やクリームは、入浴後にマッサージをしながら使用すると吸収がよくなります。 |
注射薬 |
まれに、痛み止めとして患部にヒアルロン酸を注射する場合がありますが、必ずしも効果があるとは限りません。 |
内服薬 |
非ステロイド系消炎鎮痛薬を用います。炎症を鎮めたり、痛みを鎮める効果があります。アスピリン系やインドメタシン系、フェニル酢酸系など多種類あります。胃腸が弱い人や消化性潰瘍がある人は、座薬や外用薬が適しています。 |
座薬 |
内服薬と同じく非ステロイド系消炎鎮痛薬です。肛門に挿入して、直腸の粘膜から薬の成分が吸収されるので即効性があり、しかも胃腸に負担をかけません。挿入に便意をもよおして便と一緒に薬が出てしまわないように、排便後に使用してください。 |
一般的に、温めることによって次の効果が期待できます。
@組織をゆるめる効果:筋肉や靭帯など、股関節範囲の組織のこわばりがとれます。
A関節を緩める効果:関節の拘縮 をとって、動きやすくします。
B血行をよくする効果:血管が広がって血行が促されます。
C痛みをやわらげる効果:こわばりがとれたり、血行がよくなって痛みがとれます。
温めたあとで体操や筋力トレーニングをすると、関節が動きやすくなっていつので効果的です。温めるには、入浴をはじめ、カイロや温湿布を使うと手軽です。
■むりをせず、長続きできることで運動を習慣づけましょう |
痛みがあったり、ひきずり足歩行があると、ついつい家にひきこもりがちになります。ハードなトレーニングは厳禁ですが、水泳やウォーキングなど、自分が楽しめるもので運動不足を解消しましょう。
水泳や水中ウォーキング、散歩、自転車こぎはいずれも股関節の動きをよくし、筋力アップにつながります。ただし、痛いのをがまんしてまでおこなうのは禁物です。
あとで痛みが強くなったり、翌日痛くて動けないのはやりすぎの証拠です。 最初は様子をみながらじょじょに時間を増やすとよいでしょう。
自転車 |
筋力訓練にもなるが、負担ならにサドルの位置を各自注意しましょう。 |
水中ウォーキング |
股間節にかかる負担が減るうえ、水の抵抗があって太ももやおしりの筋肉を鍛える効果が高い。 |
水泳 |
股関節に体重の負担かからずにできる最高の運動。クロールかバタ足がおすすめ。泳げない人はプールのふちにつかまるか、ビート版を使いましょう。 |
散歩 |
外に出ることは気分も明るくなるのでおすすめ。軽いウォーキングならよいのですが、負担にならない程度にしましょう。 |
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